2022年10月より全国各地で発生している鳥インフルエンザが過去最大規模となっています。最近ようやく鳥インフルエンザに関するニュースが報道されるようになってきましたが、業界関係者の間では早い段階から“過去最大規模になるかもしれない”とささやかれていました。
発生状況
これまでの過去最大は2020年11月~2021年2月にかけて発生した約987万羽でした。
それが今年はシーズン途中(1月10日)ですでに1000万羽を超えています。いかに早いペースかがわかるかと思います。
鶏卵メーカーはスーパー向けのパック卵を確保する為、業務用卵製品の供給制限を始めており一部洋菓子メーカーでは卵不足で「ケーキやシュークリームが作れない」、「新製品の開発を中止する」といった事態が発生しています。
なぜ短期で広まった?
2020年シーズン・・・987万羽程度
2021年シーズン・・・190万羽程度
2022年シーズン・・・1000万羽超(拡大中)
このように日本では2年ぶりの大規模流行ですが、実は昨年(2022年1~5月頃)は欧米をはじめとした世界中で鳥インフルエンザが大流行しました。それが時間差で今年になって日本でも猛威を振るっている格好です。
鳥インフルエンザは感染発症したら最後で、その養鶏場にいる鶏はすべて殺処分され施設の消毒をする事になります。ワクチン接種なども検討されているようですが、ワクチン接種した鶏肉や卵の安全性の担保に課題があり実現されていません。施設が空っぽになると一定の期間を空けてひな鶏を育て始めますが、卵を産むまでは6ヶ月かかると言われています。すぐに改善するものではないようです。
影響を受けそうな企業
卵製品を取り扱っている企業にとっては打撃になりそうです。売りたくても売れないという状況が発生しています。キユーピー、イフジ産業、太陽化学などでしょうか。
自社養鶏場に鳥インフルエンザが直撃した外食企業(丸亀製麺など)は卵メニューを販売停止しているケースもあります。
また国産の鶏肉というとKFCケンタッキーが真っ先に思い浮かびますが、ブロイラーについては殺処分数が限定的で現時点では卵ほどの影響を受けていない様子です。
今後の卵の価格
今後はスーパー向けのパック卵も価格が上昇していくと思われます。保存のきくものではないので家計には打撃になりそうです。卵価格の上昇に伴い卵加工品(マヨネーズ、タルタルソース、卵系ドレッシングなど)はさらなる値上げがあると思われますので買い置きをおすすめします。
採卵鶏が一日に産む卵の数は1個です。日本人が食べる卵の数は年間360個(=1日約1個)だそうです。
人口と採卵鶏の数は同じくらいが丁度いいそうですね
早く感染拡大が収まる事を願ってやみません。
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